秋になると、妙になつかしいというか、さみしいというか、そんな気持ちになる。生命力あふれる夏が終わり、世の中が静かに眠る冬がやってくるからなのか。それとも、近所の山を駈けずり回って、虫を捕まえたり、日が暮れるまで鬼ごっこをしていたり、そんな夏休みが終わってしまった寂しさが甦ってくるからなのか。とにかく、ふと立ち止まって空を見上げたり、誰もいないところで独り物思いにふけったり、そんなこと秋には多くなる。
そんな時に考えていることは、自分は自然の一部なんだろうかとか、散っていく葉っぱはどんな思いで散っていくんだろうかとか、そんなことが多い。現実の世界を離れ、夢の世界を流されているような感じ。自分で夢の世界を泳いでいるんじゃなくて、流されている。いや、流されているというより、流れに身を任せているっていうほうがいいかな。
そうしているうちに、急に何かに吸い寄せられていく。そこには自分が見落としていた何かが落ちていることが多い。それを掴んだ時、突然現実の世界への階段が見てくる。その階段を一段一段上りながら、さっきつかんだものと現実世界の接点を見つけていく。階段を上りきって現実世界に返ってきたとき、何か新しい発見がある。それは今抱えている問題を解決する手法だったり、自分の生活をより豊かにするアイディアだったり、今まで自分に足りなかった考え方だったり。それを持って家路に着くすっきりした気分が好きだ。
